
内田裕之です。
先日、月曜日、火曜日、木曜日の開室のお話をしました。
まず、お母さん教室の話です。
専門的には、ペアレントプログラムと呼んだりします。
発達障害ということばは広く耳にするようになりました。
もう日常語になっているかと思います。
しかし「障害」として判定・診断することができるのは、児童精神科医・精神科医という医師になります。
こうした医師のもとで働く心理士、ソーシャルワーカーが協力してそれぞれの立場から情報を収集して、まとめていき、総合的な判断がなされます。
すごく大雑把にそれぞれの立場を説明すると、医師は生物学(バイオ)の立場を中心に立っています。
ここに心理士が心理学(サイコ)の立場からの情報や意見を加えて、ソーシャルワーカーが社会学・福祉学(ソシオ)の立場からの見解を加えます。
こんな多元的な見方でようやく診断にいたります。
心理職は単にサイコの立場だけでなく、バイオ、サイコ、ソシオの知見を総合して、アセスメント(診断の補助資料の提供)を行います。
具体的には、本人の丁寧な行動観察、関わりができた場合ならその場での様子、養育者からの成育歴・病歴の聴き取り、どのようなことで困っているのかの共感的な聴き取り、各種心理テストの実施などを経て、総合的な意見・所見のまとめ、依頼した医師への伝達、養育者と本人へのわかりやすい説明と今後の支援への同意を取ることを進めていきます。
ここで注意してください。
学校教員が「落ち着かない」「集団不適応」という様子を見て、専門家に意見をもらうことは適切です。
しかし、中途半端に知識のある教員(中には偏見のある教員)が「発達障害傾向」「発達障害チック」「軽度発達障害」などと言ってしまうことは危険です。
場合によっては医師法違反にもなります。
しかも教員は「傾向」「チック」「軽度」などと断定的には言わない責任回避を含めた表現を取ります。
このように児童を「差別」していく姿を私は数多く経験してきました。
発達障害のお子さんを抱えたお母様方に、どういう関わりをしていけば、子どもさんの特性が長所・個性となるか、関わる中での苦労が軽減されるか、より一層に子どもさんが好きになって愛せるようになるか、過保護ではなく子どもさんの成長を促進できるか、などを考えていってもらう時間は大切です。
当室ではその手がかりを提供していきたいと思います。
私は心理職です。
児童精神科医のもとで働いた経験もあります。
発達心理学も十分に知識があります。
発達障害児・者の援助、ご家族への援助も長年実践してきました。
人間の心の発達は複雑な過程です。
子どもさんの年齢・発達段階を参考にしながら「できていること」「発達で達成していること」を健全な面として見て評価していきます。
逆に、「できていないこと」「うまくいっていないこと」は「今後の発達の伸びしろ」と考えたり、「発達の忘れ物」として考えたりしながら、フォローをしていきます。
こんな基本的な考え方をしています。
当室でお子さんの姿を適切に的確に見ていきながら、お母様方にできることを一緒に考えていきたいと考えています。
たいていのところは、ペアレントプログラムを50分枠で行っていますが、当室では少し長めの90分枠とします。
ゆったりお母様方のお話ができるように、また個々のお母様方への助言が丁寧にできるように、と考えています。
それと、お母様同士で情報交換、他の参加者の方がうまくお子さんと関わっておられる様子を聴いて自分の参考にしてもらえる時間がたっぷり取れます。
加えて、当室ではペアレントプログラムのグループ構成を3名とします。
多くの施設では、5〜10名という人数でグループ構成をしますが、当室の収容人員の関係で3名が最大で、結果、より丁寧にきめ細かいペアレントプログラムを進めることを考えています。
どうでしょうか。
大人数でセミナーを受ける感じになるのではなく、3人程度の集まりで、「先生!今の話をもう少し詳しく!」「ちょっとイメージがつきませんでした」と少し立ち止まることもできますし、私が大人数を前にして誰にでも当てはまる話をするのではなく、個々のお母様方からお話を丁寧に聴いて、当てはまる具体例を示しながらお話を進めていくという丁寧な関わりができます。
3人しか受け付けないの?と思われたかもしれません。
でも、1カ月は4週ありますから、12人の方々(3グループなので計36名のお母様方)をお受けすることができます。
自分のお子さんの学年・年齢を明記していただいた上で、ご都合のよい週を選んでいただいて、ただし人数調整でご無理を言うかもしれませんが、うまくセッティングしたいと思います。
参加費用はお一方3000円とします。
大学附属の相談室では2500円程度のところが多いですが、少し負担は大きくなるかもしれません。
大学の相談室だと大学院生が教員の指導を受けながら行っているところが多いですが、私のような実務経験者が行うペアレントトレーニングとして、この設定とさせていただきます。
未就学児のグループ、小学生のグループ、中学生のグループの3つに分けて、その発達段階、成長の程度に合わせて、きめ細かい援助をしていきます。
発達段階ごとに分けることでその時点での様子を丁寧に見ていく一方で、次の発達段階で落ち着いていく目標や発達段階ごとの達成を見ていきます。
将来、大人になって自立していくところまでを視野に入れて、成長・発達していかれること、その時々に親御さんが上手に適切に子育てをしていかれることを丁寧に丁寧に見ていきます。
月曜日に未就学児(幼稚園、保育園)のグループ、火曜日に小学生のグループ、木曜日に中学生のグループとさせていただきます。
幼稚園・保育園、小学校、中学校で日常的な困りごとがあることと思います。
お母様方は、学校などの先生ではないのですから、学校集団での困りごとを注意されてその対応を考えるよりも、ご家庭でできること、家庭教育に特に焦点を当てて、よりよくお子さんが成長していかれるように、家庭は家庭でしかできない教育・養育を考えてもらうことを考えています。
学校の先生に怒られて、家庭での改善をしてください、もっとしっかり家庭でしつけてくださいと学校の先生はすぐに言います。
そもそも家庭と学校は居場所が違うし、環境も違います。
ご本人にとって、相手が家族か学校社会かという点も違います。
学校は学校教育の責任があるはずで、学校で困ったことを起こす子どもを家庭で何とかしてくれというのは無責任な話だと思います。
本来なら、学校教育の中で、集団生活を通して社会化に向けての教育を受けさせてもらえるからこそ、学校に通う意義があるのですから。
だから、当室では親さんだからこそ家庭でできることを考えていっていただきたいのです。
そこからうまく生きていくことへとつなげていきたいのです。
こんなペアレントプログラムを考えています。
曜日も指定しました。
タイミングが合えばいらしてください。
パートの空き時間、午前中ですのでお昼からは家での家事・育児もできると思います。
帰宅されて、お昼ご飯をお家で食べて、少し余裕がないと思われるかもしれません。
でも、当室のペアレントプログラムに参加するという金銭的・時間的投資がきっと役にたつことが出てくると思います。
関心を持たれた方、どうぞHPの申し込みフォームでご連絡ください。

