
内田裕之です。
私がちょっと大事にしていることを書きます。
「食べること」についてです。
人間、生きていく上で食べることは重要です。
でもね、食べ方について、少し振り返ってもらいたいのです。
ガツガツ、パクパク、ペロリ、いろんな擬音で表現できます。
私の理想は、「いただきます」と作ってくれた人、食卓に並ぶまでの生産者の人、私達の命のために自らを差し出してくれた生き物、などなど、イメージしてもらって、いただくことをまず祈るような気持ちから食事を始めてほしいです。
いろいろな生活形態、家族のいる人、1人暮らしの人、家族はいるけど揃って食べる時間の持てない人、さまざまです。
でもね、食事は1人でできます。
食べ物を口に運ぶことですから。
そんな時に、家族、友人、恋人を考え直してみてください。
知らないおじさんと同席食事なんてしないです。
大切な人と食卓を囲むことをもう一度考え直してみてください。
それがどれだけ幸せな時間であるのか、見直してみてください。
他愛ない会話、食事から立つ湯気、食べている時の感想、などなどドラマがありますから。
私は1人暮らしですが、猫と暮らしています。
猫がご飯をねだってくる時、「よっしゃー、ご飯だ」の掛け声で、猫がうれしそうに鳴きます。
私は別卓になりますが、ご飯を食べます。
お互い食べ終わって、満足を共有しながら、しばし和みます。
この時間が好きです。
さて、食事は1人でできると書きました。
気をつけないと、自分の欲求・衝動で動いてしまうことになる恐れがあります。
上に書いたガツガツです。
これは幸せを感じられる満足でしょうか?
欲求・衝動の満足は、「幸せ」ですか?
「ご馳走さまでした」と言える感触はありますか?
これも大事な挨拶です。
食卓を共有していても、ご一緒でなくても、「一緒」という感覚が持てるかどうかです。
心理学で言うと、衝動を我慢しろ、とまでは言いません。
衝動を遅らせてほしいです。
それは頭で食べています。
遅らせたら、頭が働きます。
歯や唇や舌でじっくり味わい、ごくんと飲み込む感覚が乏しいと思います。
あなたの栄養となり、自分の食生活になります。
食事でもマインドフルネスを味わえるのです。
これは人生を豊かにしてくれます。
家族、友人、恋人と一緒なら、その感覚を共有してほしいです。
私は病院で働いていた経験があります。
午後に患者さんと会う時には、よくお昼ご飯の話から入りました。
「今日の献立は何だった?」「おいしかった?」「お腹いっぱいになった?」と何気なく聴いていました。
病院や施設におられる方の数少ない楽しみの時間です。
一緒には食べていないけど、余韻を共有したくて話しかけていました。
食事の話もカウンセリングではしています。
食事だけではなく、ティーブレイクのお茶の話もします。
「あったかい飲み物は、お腹があったまって、ホッとします」。
こんな話もうれしい感じがします。
どうぞ食事を大切に考えてみてください。