いのちの重さとあたたかさ
2024年11月04日

内田裕之です。

今日も一日を終えて、就寝の時間。
ふと以前お会いしていたクライエントさんを思い出しました。

子どもさんの問題で来談された方で、「愛情をかけてあげたい」「スキンシップが大切」と硬い観念的な言い方をされていて、あまり母性を感じない方でした。

初回面接で実施したソンディテストの結果でも、過緊張と硬さの見られる反応でした。

母子並行面接で、子どもさんが少しずつ元気になられていき、子どもらしさが出てくるようになって、身体接触が増えてきたら、「しんどい」とお母さんがおっしゃるようになりました。

ある時、お母さんがうつ伏せで寝転んでいると、背中に子どもさんが乗ってきて、腰が痛いとおっしゃる。
「こんなことだったら、以前の方がよかった」
ともおっしゃいました。

私は黙って聴いていました。

さらに面接を重ねていくうちに、「子どもはあたたかい」とおっしゃるように変化してきました。

ようやく私は「それが命のあたたかさと重さなんですよ」と伝えました。

私がまだ小さかった頃の思い出。
祖父が健在で、あぐらをかいて、その上に私が座って、本を読んでもらいました。
祖父のあぐらはとても大きく感じ、安心して
どっかり身を委ねて、甘えました。

大人になって、子どもはいませんが、愛する犬が仰向けに寝た私の上に乗り、甘えてきました。
もちろん重さを感じます。
でも、お腹をぴったりひっつけて、あたたかく大好きな時間でした。

今、猫が私の足を枕にして、一緒に寝ています。
足元がちょっと重い。だけど、すやすやと寝息を立てて寝ている様子はとてもうれしいです。

命の重さとあたたかさ。

自分がしっかりしなくては、という思いとともに、こういうあたたかさをくれることに、ささやかな幸せを感じます。