こんにちは、内田裕之です。
ここしばらくで、ご新規のクライエントさん、内覧会にいらした方に箱庭を作ってもらいました。
どの方も個性的な表現をしていかれました。
何もない砂箱に、棚に並んだアイテムを使って作品を制作してもらいます。ゆっくりと砂を触って、棚の中のアイテムを選んだり戻したりしながら、少しずつ作品が出来上がっていきます。私はその様子を黙って見ています。あるいはクライエントさんの問わず語りに少しだけ答えます。とにかく出来上がっていく様子を見ています。
作品が完成したら、一緒にしばらく味わって見ます。私はようやく「作ってみてどうですか?」と問いかけます。クライエントさんの感想を聴きます。余韻を感じながら、ほんの少しだけ私の所感をぽつりと問いかけます。するとクライエントさんが「実は…」と心の琴線に触れたことを話し始めます。
箱庭は心理テストではないので、解釈はしません。むしろ、一緒に眺め、一緒に味わっていくことが重要です。ほんの少しだけ問いかけてみるようにしています。
初回面接で制作した箱庭は、その後の見通しが見えてきます。制作者のことばにならない問題、根気のいる心理療法を進めていく力があるかどうか、などが見えてきます。箱庭のもつ不思議な底力です。
自分のカウンセリングルームを開くにあたって、箱庭はどうしても置きたかったのです。
箱庭の砂箱もアイテムも私の手の延長、心の延長です。これをどう作っていかれるか、傾聴に似た傾視をしています。
ことばでは表現できずにいた何かが箱庭を通して表現されます。皆さん、印象的な表現をしていかれました。私のすることは、よく見ること、そして数学の図形問題に補助線を引くように、ほんの少しだけ問いかけてみることです。自ずと制作者が感じることが生じてきます。心の琴線に触れた瞬間です。
箱庭は続けて制作してもらいます。しかし、杓子定規に毎回作る必要はありません。箱庭を作って心が活性化されて、夢を見られる方もいます。現実生活とどこか重なって対話になる方もいます。また作りたい時に作ってもらいます。
こうした継続した心理療法を進めていく中で、クライエントさんは、変容・成長・治癒を体験していかれます。
こんな体験は心理療法ならではの体験です。
どうですか、皆さん?
こんな体験をしてみませんか?
どうぞ当室にいらしてください。