反抗期と言いますが?
2024年10月22日

内田裕之です。
「反抗期」、よく耳にすることばです。

いわゆる第一次反抗期の話をします。
だいたい幼稚園児くらいでしょうか。
それまでは「ママ、〜して!」と何でも何かと「ママ」「ママ」だったのが、いつの間にか急に「それ、ボクの!」「ボクがする!」と言うようになってきます。

親の目からすると、何だか言うことを聞かない、駄々をこねる、何でも自分でしたがる、生意気になった、親にたてつく、反抗する、ように見えます。

なので「反抗期」という呼び方をします。

いやいや、心理学の立場からすると、その子は自分を頼りにできるようになった、それだけの力のある自分が育ってきた、自分の意志が持てるようになった、ちょっと専門的に言うと「自我が育った」ということになります。

ですから、「ああ、我が子は育ったんだ」と思ってもらいたいところです。

とはいえど、まだまだ自分の力だけで何でもできるわけではありません。
甘えてきますし、できない時に「ママ、これやって!」と言いますし、失敗するし、怪我もするし、傷つくこともあります。

そんな時に、お母さんが「知りません!」とか「自分でやりなさい!」とか突き放すようなことはしていましたか?

子どもさんにはかなりのダメージを与えてしまいます。

心理学では「安全基地への再接近」と考えます。
ちゃんとココ!という時にお母さんという安全基地に戻ってくるのです。

ちなみに、精神科で働いていた時に、重い患者さんの子どもの頃の話を聞いていくと「この子は手のかからない子でした」というフレーズがよく出てきました。

「手がかからない」ということは、親の言いなりのまま、親の意志ではなく自分の意志で動くことができない、自我が育ってこなかった、ということになっているわけです。

ですので、反抗期とは言いますが、それは子どもさんの成長・発達の上で、とても重要で、むしろ喜ばしいことなのです。

幼稚園に通う時期のお子さんをお持ちのお母さん、是非見直してみてください。

第一反抗期があるということは、第二反抗期もあります。中学生くらいに来ます。
それはまた、別の機会にお話しましょう。

不定期連載ですが、心理学が考える発達の話を書いています。
だいぶ前の記事ですが、2023年10月29日の「子どもが大人が育つ基盤」と2023年10月30日の「身を美しくする」の二つとつながっています。
併せてお読みください。