勉強する私
2025年10月03日

内田裕之です。

おかげさまで体調もずいぶんと回復してきて、活動的になりつつあります。

活動といってもインドア派の私には、自宅での思索がメインですが。

少しずつ部屋の片付けも進み、すぐに読みたい本をサッと取り出すことができています。
あとは整理整頓です。これはいささか気が重いので、ぼちぼちと。
とはいえ、物の多い我が家兼研究室兼カウンセリングルーム、何とかせねば。

今はドイツ語の勉強を進めています。
進んだり、止まったり、戻ったり、忘れたり。
若い頃に挫折したのですが、邦訳されていないドイツ語文献に取り組まねばならず、ネジを巻き直したところです。
意外にも苦手意識はどこかに行ってしまい、ドイツ語学習用に買った参考書を音読したり、ドイツ語に明るい友人にメールしたり、カタコトのドイツ語で猫に話しかけたりしています。
わからないことがあれば、すぐに辞書を引いて調べる癖がつきました。

私の使っていた英和辞典は手垢にまみれていますが、独和辞典もこうなるといいかなと思っています。
折しも、スケジュール帳を2025年版にするタイミングで、2024年のスケジュール帳が一年使って手垢にまみれているのを見て、いずれ独和辞典もこうなるだろうと思いました。
知識が増えることは喜びですから、その証です。

高校時代に古文の時間で部分的に読んだ古典にも目が向いています。
既述したように、方丈記、徒然草を読み直して、今は伊勢物語を読んでいます。
男性の側から書いた女性観、恋愛観、アプローチ、リビドーなど面白く感じています。

英語力が落ちるのも心配で、速読できる文章量の適度なテキストも読んでいます。
英語は高校時代から得意だったし、いちいち和訳しなくても、英語で読んで英語で考える勉強は楽しいです。
和訳にも自信があるので、何か翻訳の仕事もしたいです。機会がめぐってくればありがたいです。

心理学関係では、鈴木睦夫先生の「TATの世界」を読み直しています。このテストの醍醐味を教えてくださった先生。今まで取ってきたTATデータを思い返しながら自分の未熟さを痛感します。
こんな腕でよくもまあ学生に講義をしていたのか、と呆れてしまいます。
もう講義で教えることはないので、クライエントさんに還元していきたいです。TATから見えることは、クライエントさんの生きておられる世界へのアプローチとして、より積極的に活用していきたいと思っています。

それから、家族療法の本を乱読しています。
ギミックとしての家族療法には関心がないですが、家族を全体で見る態度には学ぶところが大です。
また、ソンディ・テストではなく、家族的無意識を提唱したレオポルド・ソンディに対して、家族療法がとらえる家族像を「家族的意識」の現れと読み替えて、勉強し直しているところです。
あるいは、ソンディ理論が部分的に、対象関係論が内的対象関係に着目していることと一致している点もおもしろいです。
これらの理論から「その投影を受ける母親は実際にはこういう人物か…」と眺めつつ、「投影される側はつらいだろうな」と照らし合わせながら、本人にソフトランディングで幻滅していってもらえる道を見つける手掛かりがありそうです。

はたまた、温故知新で、精神分析の本やユング心理学の本も読んでいます。
今読んでいるのは、エーリッヒ・ノイマン「意識の起源史」。ユング派の象徴理解は大切な臨床的態度。
これを読んだら、メラニー・クラインを読むか、もう少しユング派路線で、エスター・ハーディング「心的エネルギー」か、ユングの「変容の象徴」を読むか、気の向くままに進めます。

読書という入力作業だけでなく、出力・発信として、次の自著の原稿も書いています。前著以上に臨床現場の話を書いているところです。

体調をご心配してくださる方々がおられる一方、私の元気な「活動」を報告させていただきました。
読みたいものを読み、書きたいことを書いています。こんな幸せな毎日を送っています。