入門すること
2024年03月24日

学部3年生の頃、河合隼雄「ユング心理学入門」を読みました。しばらく河合隼雄ファンになって、惚れ込んでいました。
そこからの流れで、西村洲衛男先生に師事して、吉田耕治先生から教育分析を受けました。
本を通してだけでなく、体験を通してユング心理学に入門した形になります。

しかしながら、西村先生の周りにいる人や河合隼雄ファンの人を見ていて、現実感のうすい、なまぬるい人が多いことに辟易して、ユング河合離れしていきました。

河合隼雄が若い頃にロールシャッハに没頭していたと聞き、まずはロールシャッハを勉強しようと思いました。しばらくして河合隼雄はどうでもよくなり、ベースになっているクロッパーに感銘を受けました。
幸か不幸か、ロールシャッハの師匠はおらず、藤岡喜愛先生と辻悟先生と植元行男先生の論文に出会いました。
どの先生もロールシャッハを駆使して人間をつかもうとされている様子が伝わってきました。
とにかくデータを取りました。気がつけば、ロールシャッハを教える立場になっていました。

最初に勤めた病院で、ソンディテストに出会いました。大塚義孝先生の「衝動病理学」は難しい本ですが、頑張って読みました。
夢叶って、大塚先生に弟子入りすることができました。西村先生のご紹介で、私を大塚先生の元に送り出してくださった度量に感謝しています。そして、大塚先生の元で、私が理想とするアセスメントと援助を学ぶことができました。

皆さんは誰かお師匠さんに出会えましたか?
臨床家としてのアイデンティティ作りには貴重なことだと思います。

ロールシャッハを学ぶ人口は減っています。
ましてや、ソンディを学ぶ人は皆無に近いです。
再考、温故知新に値する技法です。
私が後進に伝えられることは伝えたいです。

マイナーではあれ、偉大な臨床家に敬意を払って。