マインドフルネスの応用を考える
2024年10月24日

内田裕之です。

私自身、若い頃からイライラしやすい人間でした。
自分自身でマインドフルネスを体験しました。
心がゆったりと構えられるようになったと思います。

「干し葡萄のワーク」「ボディスキャン」を受けましたし、CD付きの本を買って自分でも繰り返しました。

だいぶ気持ちが落ち着くようになり、物事の見え方、生活の送り方が変わったように思います。

味わってご飯を食べるようになったし、体の感覚(特に疲労)を感じ取れるようになりました。

皆さんにも体験して会得してもらいたいです。

さて、以前に長年、うつで苦しんでおられる方にお会いしました。

彼女曰く、散歩がいいと思い、散歩をするようになった。しばらくして、今日は2キロ歩く、次は5キロ歩く、という目標を立てていた、とのこと。

でも、ある時、周囲の人は散歩を楽しんでいるのに、自分はノルマになっている、と思ったそうな。

そこで、また、自分がうつだからダメなんだ、と強く思って「もう散歩もできない。自分は本当にダメだ」と涙ながらに語られました。

マインドフルネスを受けることを勧めました。私のクライエントではなく、他のクリニックに通院中の方だったので、差し出がましいこともできず、ただただお話を聴き、提案をしました。

その後、マインドフルネスのボディスキャンを受けたと報告がありました。
「何だか気持ちが軽くなった」とおっしゃっていました。

しばらくして、結局、元の木阿弥になったらしく、そのことを担当セラピストに伝えても「またボディスキャンをしましょう」と展開がない、どうしたらいいのか、と私に相談されました。

私は「ボディスキャンも有効な方法です。でも日常生活に活かせる応用編を教えてもらえなかったのね」と伝え、「だったら、以前にやっておられた散歩を見直しましょうか」と提案しました。

ご本人は「散歩はもう嫌です。できない。楽しくない」との返答。
私は「楽しくないことを楽しめって言っても無理ですね。楽しむかどうかは置いておいて、マインドフルに散歩ができるとしたらどうですか?」と提案しました。
もう藁にもすがる思いを話し、歩き方のコツを伝えることにしました。

この話は長くなるので、また次回にします。

しかし、マインドフルネスを行うセラピストの中には、干し葡萄のワークとボディスキャンを馬鹿真面目にただただ繰り返すだけの人がいるのだなあ、と呆れました。

応用できてこそ体得したことになるはず。
何だか、自分の業界を憂いてしまいました。
トホホ…