「発達障害だから」という気持ち
2024年04月19日

こんにちは、岐南カウンセリングルームの石郷です。

今回は、発達障害と成長についてお話したいと思います。

私は、普段仕事での問題や人間関係、自身の性格に関することなど、様々な問題に対して心理的支援を行っています。また、成人の方だけではなく、子どもの抱える問題(いじめ、不登校、親子や友人、教師との関係など)や養育者の方への支援も行っています。
その中で、特にお子さんの問題に多いのは発達障害に関する支援です。よく養育者の方の語りとして私が耳にするのは「うちの子がグレーと言われた」「発達障害の診断がされたけど、どうしたらいいかわからない」というお声をよくお聴きします。子どもの将来、学校での様子、親としての関わり方、心配・不安にされる気持ちをお聴きします。
不安になるお気持ち、当然のことだと思います。

このような不安に対して、私は発達障害の可能性や診断されて戸惑う方のお話を丁寧にお聴きし、お子さんの問題や養育者であるご自身の悩みを深め、情報提供やお子さんとの関わり方、そして受け止められる・受け入れられる、このような心の働きをカウンセリングの中で行い援助していきます。

さて、もう1つ、非常に多く耳にすることがあります。

それは「うちの子は発達障害だから」です。
発達障害だから、問題をよく起こす。
カウンセリングの中でよく聴きます。

これは私が特に注目する点ですが、何か問題が生じた時、何が原因かを分けて考えます。つまり、子どもの問題が発達障害の特徴で生じているか、それとも発達段階つまり成長過程から生じていることなのか区別することです。

例えば、普段買い物の後にガチャガチャでおもちゃを買ってあげているとしましょう。しかし、小銭がないため今日はお菓子に代用しようと子どもに提案します。すると、子どもは泣き止まなくなりました。

この子が何かしらの発達障害で、衝動的または強いこだわり、突発的な変化の適応力が苦手など、障害の特徴により生じたとも考えられますが、子どもの年齢的にまだ幼く精神的に未熟なため、純粋に提案を受け入れることが難しかったとも考えられます。

子どもが発達障害を抱えており、何かしら問題が起きると、全て障害が原因で生じていると考えやすいです。しかし、実際はこの年齢であればごく自然であることがあります。また、発達障害が原因ではなく、環境によって生じていることも多々あります。

子どもは心身共に未熟な人間です。そのため、体も心も大人へと成長していく段階です。その成長の中で、信頼、積極性、責任、社会的適応など、子ども自身が自立するために、日々学んでいる段階です。この成長過程の中で不安定になりやすいこともあります。だからこそ、1つの問題ごとに対して、全て発達障害が原因で起きているわけではないです。

私たちは障害が原因で物事を片付けることはしません。
障害というレッテルのようなもので、子どもの限界や可能性を測ることはしません。
今、何ができて、何が苦手で、どうしたらできて、何歳ぐらいからでき始めてなど、成長過程や環境も含めて、お子さんや養育者の方と関わり、支援していきます。
決して障害のせいで子どもができないわけではないのです。

お子さんのことで悩まれている方、お待ちしています。