「頑張れ」ということば
2023年10月04日

こんにちは、内田裕之です。

よくクライエントさんには「頑張れ」と言ってはいけないという話を聞きます。
その理由を話していきたいと思います。

特にうつの方には禁忌と言われます。
うつの方は、もうすでに頑張って頑張って頑張り抜いて、このような状態になっておられます。
力強く絞ったタオルから、もうこれ以上は水滴が一滴も出ないくらい、硬く絞り切ったエネルギー渇望状態です。
それをこれ以上頑張れと言われて、握力も弱った手でまだ絞ろうとなさる。
こんな状態に追い込んではいけないという戒めです。

もう1つ私が考えることは、「頑張れ」は割と気軽に熟慮なく発することばだということ。
この「気軽に」がいけません。
相手のことをよく考えていないということになります。しんどい人、悩んでいる人に軽々しく使うのは避けたいところです。

それから、「頑張れ」と言う人は言われた相手に何か働きかけているでしょうか?
「君が頑張れ。私は何もしないけど」といったところではないでしょうか?

「頑張れ」ではないことば、相手を勇気づけることば、相手が求めていることば、それが一体何なんだろうと立ち止まってみてください。
熟考熟慮して出てきた、相手のためのことば。
それを考えてみてください。

あるいは、黙って寄り添うこともよいでしょう。困っている時、悩んでいる時、迷っている時、こんな風に黙って一緒にいてくれる存在は、助けになります。

私たちカウンセラーもこんなことを考えながら、クライエントにお会いしています。